約10年程前、まだ今ほどシックハウスという言葉が無かったころの話です。
畳店である私は畳を納めたお客様から
「畳にカビが生えたからすぐに来て欲しい!」
「畳からダニが発生して痒いからなんとかしてくれ!」
と電話があり、対処をしていました。対処をしたお客様から「こんな事なら畳替えなんかするんじゃなかった…」と暗い顔でお話をされた時は、やるせない気持ちでいっぱいになりました。そんな事を繰り返しているうちに「最初から防虫処理をしておけばカビやダニのクレームは無くなる!」と思い、畳の床にはナフタリン。使う糸は農薬入りの防虫糸。畳を納める時には臭いがきついぐらいの防虫紙を敷き詰めました。畳の納品後には、自分の手や体にも臭いがついてとれないほどの薬品処理をしていました。その頃の畳店は多かれ少なかれ同様の処理をしていたので安心をしていたのです。お客様からも「薬品の臭いがする。」と言われましたが、「ダニやカビを防止するための処理なので、申し訳ありませんが2〜3日窓を開けて換気をして下さい。すぐに臭いが無くなるはずです。」とアドバイスをしていました。その時はお客様のためだと思って施工をしていました。
ある時、気がつくとくしゃみが止まらない。鼻血が止まらない。頭が痛い。熱が出ておさまらない。病院に行っても原因がわからない。寝ていても苦しい。など、色々な症状が年に1回、2回と繰り返しおきるようになりました。医者からもらう薬が段々と強くなっていっているのがわかりながらも、薬を飲まないと症状が治まらない。薬を飲んだ後は眠気が襲ってきたり、体がだるくなってしまう。なんで自分はこんなふうになってしまったのかと原因を考える日々が続きました。
そんな中、ある本の記事で「アメリカで新築ビルの中にあるオフィスの社員が次々と原因不明の症状で休んでいて、シックビル症候群と呼ばれ話題になっている。」という記事を見つけました。そこで「ハッ」と思い、本屋に行って色々な本を探しているうちに、とある住宅建材の公害を啓蒙する団体が出している本に出会いました。その本には危ない建材リストがあり、“まさか”と思い見てみると、なんと『畳は要注意!!』と書かれていたんです。「防虫紙などに含まれているフェニトロチオンがアレルギーを引き起こす。」という記事を読んだ時のショックは相当なものでした。大急ぎで会社に帰って防虫紙の成分を見た時に、その名前が載っていて愕然としました。
「自分は今まで何をやってきたのだろう…」
「今まで畳を納めたお客様は大丈夫なのだろうか?…」
こう思い、日々を過ごしていました。
「農薬などを使わないでどうやってダニやカビを防げばいいのだろう?」
と考えながら毎日が過ぎていきましたが、ある時、安全な畳を作るヒントに出会いました。
私の母に胆石ができてしまい、痛くて動けないので病院に連れていきました。検査の結果、「近くで石灰がとれ、それが水に混じってしまい、結果的に水が赤水になっているのが原因。」と診断されました。母が「あんなに痛いのはもう嫌だ!」という事で早速浄水機を買う事にしました。取り付けに来た人が、「この浄水機は活性炭で水が綺麗になるんですよ。」と聞かされて、私は興味を持ちその場で活性炭について色々と尋ねました。早速、炭についての本やセミナー、製造元まで伺って調べているうちに「これなら薬品を使わないで安全な畳が作れるはずだ!」と確信して研究をはじめました。ダニとカビの関係。湿度と温度の関係。イオンの酸化・還元の法則。抗酸化作用。遠赤外線効果。ありとあらゆるものを勉強し、試行錯誤を重ねていました。
1年くらい試行錯誤と勉強を重ねている内に、「設計士や建築関係の数人で自然住宅を推進していこうというメンバーにならないか?」と声をかけてもらいました。そこで、1年前に私が本屋で読んだあの本に啓蒙された人達に出会い、これからは『安全な建材で住宅をつくる時代になる!』と確信しました。そこで、ある設計士の方から「今は安全な畳が無いのでつくってくれないか?」と相談をされました。様々な天然素材の材料の提供を受け、1番畳に適している素材を選び、試行錯誤を重ねた結果、ひとつの畳が出来あがりました。それがこちらの炭化コルク畳です。
その畳を使い、自分自身のアレルギーがどうなるかを研究し、だんだんと症状が和らいできて本物だと確信しています。今では医者に行く事も無く健康的に暮らしています。もちろん、今後もアレルギーで医者にかかるつもりはありません。
ただ、これを読まれている方々に1つだけご注意しておきますが、私は畳に使用していた薬品がアレルギーの原因であったのですが、皆さんのアレルギーの原因は別にあるかもしれないという事です。
シックハウスは別名『複合汚染』と呼ばれています。衣・食・住の環境の中に畳も含まれているという事です。1つ1つの環境を皆様が安全に住む事ができるように改善していってください。
私は健康畳という言葉は嫌いです。なぜなら、畳だけでは健康にはなれません。ただ、安全・健康的に生活をしていくためには畳は素晴らしい効果を持っています。その効果はこちらでご確認下さい。 |